運転免許証の返納には、特に期限は設けられていません。有効期限内の運転免許証を持つ方であれば、いつでも自主返納が可能です。ただし、以下の方は自主返納ができませんので注意が必要です。
高齢ドライバーの場合、75歳以上の方は運転免許証の更新時に認知機能検査が義務付けられています。この検査結果によっては、運転免許の更新ができない場合もあります。
免許返納の手続きは、以下の場所で行うことができます。
必要な書類は以下の通りです。
手続きの際に、運転経歴証明書の交付を希望する場合は、証明写真と交付手数料が必要になります。
運転免許証を返納した後、運転経歴証明書を取得することができます。この証明書は、運転免許証の代わりとなる身分証明書として使用できます。
運転経歴証明書の発行には以下の条件があります。
運転経歴証明書には有効期限がありませんが、顔写真が古くなった場合などは再発行することができます。
多くの自治体では、運転免許証を返納した高齢者向けに様々なサポート制度を設けています。例えば以下のようなものがあります。
これらのサポート制度は地域によって異なりますので、お住まいの自治体に確認することをおすすめします。
高齢ドライバーの免許返納を考える上で、認知症の問題は避けて通れません。認知症の初期症状が現れ始めると、安全運転が困難になる可能性が高くなります。
認知症の初期症状には以下のようなものがあります。
これらの症状が見られる場合、早めに専門医の診断を受け、免許返納を検討することが重要です。認知症と診断された場合、道路交通法により運転免許の取り消しや停止の対象となる可能性があります。
高齢ドライバーには、加齢に伴う身体機能の低下により、以下のような運転特性があります。
これらの特性により、高齢ドライバーは以下のような事故リスクが高くなります。
高齢ドライバーは自身の運転能力の低下を自覚しにくいため、家族や周囲の人が注意深く観察し、必要に応じて運転を控えるよう促すことが重要です。
高齢ドライバーの安全運転を支援するため、安全運転サポート車(サポカー)の活用が推奨されています。サポカーには以下のような機能があります。
2022年5月からは、サポカーに限定した条件付き免許制度が導入されました。これにより、通常の車の運転に不安がある高齢ドライバーでも、サポカーであれば運転を継続できる可能性があります。
高齢ドライバーの運転能力を客観的に評価するため、以下のようなチェック方法があります。
これらのチェックを定期的に受けることで、自身の運転能力の変化を把握し、適切な時期に免許返納を検討することができます。
高齢ドライバーの家族は、以下のような対応策を考えることが大切です。
家族が高齢ドライバーの運転に不安を感じた場合、まずは本人の気持ちを尊重しながら、丁寧に話し合いを進めることが重要です。
運転免許証を返納した場合、自動車保険にも影響があります。以下の点に注意が必要です。
免許返納を検討している場合は、事前に保険会社に相談し、適切な対応を取ることが重要です。また、返納後も事故の際の補償が必要な場合は、個人賠償責任保険への加入を検討するとよいでしょう。
以上のように、高齢ドライバーの免許返納には様々な側面があります。本人の安全と家族の安心のために、適切な時期に免許返納を検討し、返納後の生活に備えることが大切です。免許返納の期限に決まりはありませんが、運転に不安を感じ始めたら、早めに家族や専門家と相談することをおすすめします。